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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

手製のパンにハムエッグとコーヒーが出ました。これで朝飯が済んだのかと思っていると、今度は改めて和食の膳が運ばれて来ました。これこそ本式の朝飯だといいます。サーヴィスが良過ぎるのか、わざと業々しくするのか判らない田舎旅館の朝飯を済ましまして、私たちは呼んで置いて貰った自動車で出発いたしました。葛岡に訊きますと、安宅先生の実家の村はこの駅町から小半里よりは近いと言います。

低く青いのは麦畑、やゝ高く青いのは桑畑。そしてこの間に雑菜の畑や、まだ冬の刈田のまゝの水田などが縦横無尽に縞目をつけております。縞目のところ/″\にさかりを過ぎた菜の花畑とげんげ畑が色がうるめて咲き敷いております。丘というほどでもない堆土に子供らは摘草をしています。右手の方に前橋、伊勢崎の煤煙も望めます。

空から星屑を振り撒かれたように芽を吹く雑木林。花ある村。花なき村。から風は天下に名高く、土それ自体にかじかんだ荒肌のすさまじきものを持ちながら、さすがに晩春初夏の季節の界とて上州の平野もおちこちに賑かな寸景を点じております。その中を車は走ります。

地上にはこれ等の寸景を無数に載せながらこの平野はまた山裾の傾斜を受け継いで、緩く大きく、北より南へ傾いてもおりました。