Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
「姉も、あゝいつまで、ぶら/\していて、一体どうする気なのでしょうか」
と言ってみせました。慣れない人には全く無口な性質の葛岡は黙っています。わたくしだけ努めてこの弟と、互いに探り合いながら話を少し重ねていくうち、だん/\、この弟は、先生対、葛岡とわたくしとの関係のいきさつも充分心得ていることが判って来ました。
そして葛岡にしろわたくしにしろ、先生を動揺さした害人であり、従って先生に頼っているこの家の家族たちに取っても亦、私たちは迷惑な存在であるとこの弟は思っていながら、しかし事の経緯がこゝまで深入りした以上、私たちをたゞ憎み去るのも不得策である。そして、家族の平たい相談ばなしなどは滅多に寄せつけない先生に向っては、この弟は反感さえ持つところがあり、事件の捌きや見通しに就ては寧ろ、迷惑な害人の私たちに内輪相談に乗って貰い度いような用心深くはあるが妙な親しみさえ寄せていることが判って来ました。
「家の中のものは、蔭で心配ばかりして、全く手がつけられない仕末です。お察し下さい」
こうなってみると、わたくしには大層話がしよくなりました。葛岡の解放のため場合によっては先生の根元の考えからさえ変えて貰わねばならないその予備知識の為めにも、先生をあゝいう人間にした環境であるこの家の事情を出来るだけ多く知って置くのはなに