Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
一村はあちらこちらでひそ/\と寄合い相談を始めた。無気味な空気の中に「何かあるぞ、何かあるぞ」という密めきも聞えていた。
二日三日と過ぎるうち雷の多いこの平野の中でも特に大雷雨の夜があった。その夜の明方に安宅先生の屋敷は火を発して殆ど焼け失せてしまった。残ったのは今のこの母家にしている屋敷の一端だけであった。
「火事は雷が落ちたことが原因となっていますのですが――なに、多勢に無勢の口ですから、どうにでもなることでして――中で皮肉な村人は、父親の口癖をとり天は自ら助くるものを助けたのだなぞと冷笑していました」
弟は、こゝへ来て大きく口を開いて笑いました。わたくしが不思議に思ったのは、この弟の笑い声は全く意趣も含みもない、たゞ簡単なおかしさが筋肉的に口を開けさして少し寂しく声帯をから鳴らしているだけにしか受取れなかったことでした。弟は笑ったあと、こう言いました。
「もう、そのときは、父親を除いて私たち家族一同、焼跡の上に立って、たゞ、ぽかんとして、何だか来るべきものが来てしまったという気持だけでした。家の財政のことなど知らない子供の私なぞは、却って奥の齲歯の抜けたあとのあの涼しさや珍らしさのようなものさえ、すう/\感じました。