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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

弟は語り続けます。

「明治も末期の頃で、農村はそろ/\疲弊を感じ出していました。心あるものは海外渡航に眼を向けていた時でした。テキサス州の移民米作ということが頻りに世間の口に唱えられていました」

本性のものかそれとも変質的のものか判らない農村改革に、失敗した父は、もうこのとき伝来の資財も殆ど使い崩していて、捨てゝ置いても一度はこの辺で家産の整理をしなければならない羽目に向っていた。そこへこの仕儀なので父は、これ幸いとは思わないまでも、一つの機会を掴んだつもり、土地の奴は話にならない、これからは海外へ日本農民の発展の道を講ずるのだと言って、最後の資金を纏めた。他村のあぞれ者四五名を語らって、そのテキサス移民の鍬開きをすると出かけた。家族には祖母と母親と子供のきょうだい三人が残っていた。男役として母親の弟が沼田の実家から住み移った。四十になるのに鰥であるくらいだから凡庸で少し足りないほどの男だった。屋敷の焼け残りの部分を母家に直し、整理して残った田畑に小作を入れゝば留守の暮しは立った。子供たちの教育費だけがいくらか不足だった。家ではしつけない養蚕などに手をつけ始めた。