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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

大沼というまわり四粁ほどの湖水がこの氷の下に隠れているのだそうです。

火口原の周囲を取巻いて、黒檜だとか駒ヶ岳とか薬師岳などという山々がありますが、半ば雪が解けていたり、蝙蝠型に雪が剥げたりして、一々の姿や面は変りながら、やはり何か太古の巨獣の膝蓋骨や臼歯が意趣あり気に置き並べられているようです。

永劫の死滅の姿よ。そうも取れます。ですが、じーっと見詰めていると、この永劫の死滅の姿そのものが、姿そのまゝで今や微かに息を吹き返し、鈍い眼を開きかけているように感じられて来るのはどういうわけでしょうか。気持の悪い。

そればかりでなく、いよ/\眺めに馴れて来ますと、火口原の雪の銀光は空に射向う途中から白朧の気を吐いて、屏風型に取巻く山々の峰をうす紫に染めなし、余光はなおも狭い盆の口から蒼空へ差し剰して、さすが冷厳な山頂の空も最初の一膜だけ、うっとりとその柔味を受付けておるのが感じられます。

何という幽けくも気高いいろ気でしょう。それでいて、ひし/\と身に迫るのは不思議でなりません。そのいろ気は肉に応ずるというよりも骨の髄に薫りかけるという性質のもののような気がいたします。