Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
霧が少しあって、うす陽のさす日でした。鉛の沼、白い山全体がほのかな桔梗色の燐光を放っていますので、霊性で作った風光のような気がいたします。先生は、この湖に胚胎する伝説によってはたから一生苛めつけられなさった。そして次には必死とその伝説を逆に使ってはたへ逆襲しなさった。ゆうべの先生の話は、まだ半で、どううねり廻るやら判らないけれども、結局は、その余波はこゝに立つ私たちにまで及ぼしているのは間違いない事実です。何という悲運の人々なのだろう。ても恨めしい雪の湖ではあると、わたくしはいつまでも眺め入っています。渚に朽ちた重箱の殻が一つ目にとまりました。
沼に身を投げた竜女を弔うため、麓の村では毎年、命日に赤飯を蒸してこの沼に投げ込んでやるのですが、赤飯は失せて、容器の殻だけが渚に漂い寄る、それがこれですという案内人の説明でした。
根が恐がりやの癖に、恐いもの好きな都会娘のわたくしは、尚いつまでも物凄い氷湖にじっと眺め入ります。たとえ嘘にしろ、この湖底に見えるという銀の鱗のことを考えて、心ゆくばかり身うちの血を氷らせていますと、「何にもない、つまらない景色」