Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
「どう、この私、真珠貝の中から生れたヴヰーナスの像に見えない※(感嘆符疑問符、1-8-78)」
もう一声、
「死の果から生れる、美の戯れ。生命がけで一度だけ蝶子さんに見せるのよ。じゃさようなら、いつまでも、さようなら」
わたくしは思わず「いやよ、いやよ」と叫びました。それから雪の渚によゝと泣き伏しました。
すぐに宿の主にわけを話して、湖畔を探し廻りましたが先生は見付かりません。計画はもう昨日あたりから整えられていたと見え、検めてみると古屏風のうちの先生の持物は、大体取片付けられていました。書きさしの「死の書」の原稿は破り捨てられていました。
二日ばかり葛岡と私は懊悩のうちに宿に先生を待ち受けましたが、消息は判りません。そのうち、先生はあらかじめ湖畔の氷小屋へ衣服と共に手廻りの必要な品は、リュクサックに詰めて隠して置き、漂う氷塊がよい塩梅に岸についたので、そこから氷小屋で支度をしてどこかへ行ってしまわれたのが判りました。宿の主は術なげに言います。
「やっぱり先生は山姫になりに行かれた」
赤城の山を降りながら、葛岡は、しお/\と言います。
「あゝいう訣れをするなんて、いくら何でも僕は諦め切れないよ」