Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
と慰めてやらないわけには行きませんでした。彼は半信半疑の眼ざしで、しかし現在生活に自信を失っている彼は、ちょっと頭を下げても、多少は力になって欲しいという意味の事をわたくしに頼みました。
旅寝を重ねてこゝまで来る間に、葛岡はもう安宅先生指導の二河白道の距てのバンドも横えず、それから宿帳に夫婦と名乗ってつけることもしなくなりました。すべては物憂い気だるさがさす業です。それこれに頓着なく、私たち二人はみょうとに似たような間柄に、いつか堕ちていました。人は愛や情熱の熾烈なときばかり、これに堕ちるとは限りません。若い身空が性根をスポイルされて、青い倦怠の気が精神肉体に充ちたとき、男女はなか/\に危うくあります。その青い倦怠の中からわれ知らず罪咎の魔神の力を藉りても生き上ろうとするわが身の内の必死の青春こそ、あなや、危うくあります。
わたくしには、また、池上があれほど依怙地にも自慢気に振り廻す「童貞、童貞」という言葉がむかしから嫌味でなりませんでしたし、安宅先生が逆手によって強調した性の本能に就ても故々し過ぎるように思われました。その反感もあって、わたくしは試にこの関門を手軽に越えてみただけのものでした。