Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
急がなかったら追付きやしません。家へ断ったり途中から知らしたり、そんなことまるで思いつく頭に余裕がないのは判ってるでしょうに」
すると嘉六は、はっ、はっ、はっ、と笑って、
「申開きは、ざっと、そのくらいのことに承って置きましょうかね」
と言って、鉄瓶の徳利の燗の具合を見て、
「なにしろこっちは、また探すにしても瀬戸物町の店へ知らしたら、御縁談は破却でしょう。探す人を使うのも店へ内緒なのですからずいぶん窮屈しました」
嘉六は手をさし伸べて長火鉢の抽出しから猪口を二つ取出します。
「まあ、お一つ」
わたくしは好むものでもないので「さあ」と渋面作っていますと、
「旅のお疲れ直しに、また、ひと口ぐらい、いゝものですよ」
と押し勧めました。
わたくしが二つ三つ盃の相手をするうち嘉六は、母親の心配もさる事ながら、池上の気の揉みようは見ていられぬほどだと言いました。
「やけ酒を飲みなさるんだが、それも焦れ/\して落付けないらしく、しょっちゅう飲む場所を寮の中の部屋中に変えなさる。その上、おきみ! 貴様の見張りようが悪かったと言って、おきみをうち打擲なさるんです。いくらご主人でもあれじゃなんぼなんでも――」