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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

その先の船一つ距てゝ、屋形船が着いています。そこから船頭の小僧に間の船を渡らせて大阪鮨の箱を一つ届けて寄越しました。おきみが「芳町の芸妓や幇間の連中でございますよ。こっちからも、ご祝儀でも届けさせましょうか」と言出すのに、池上は「遣るな/\、遣ると、また、御挨拶だとかなんとかいって、やって来て、うるさいから」と顔を顰めました。

花火にも船の賑いにも慣れて来て、私たちはそれを片手間に眺めながら暫らく船の中は男同志、女同志の話に分れています。葛岡はすっかり池上の抱えの植木職の気になって、「旦那の仰っしゃるそれは――」と相手の呼名まで敬って夏の庭木の手入のことか何かを仕方話で説明しています。わたくしは、白々しくもあり忠実でもある丸髷姿のおきみを、いつか気の置けない一家族の中の青女房のような気がして来ましたので、いろ/\自分の身近の経験のことなど親しく話し交わします。

「あたし、この頃、うちでご炊事をするのよ。ご覧なさい、この手」

と差し出して見せますと、おきみは、その指を撫でゝ、

「まあ/\、お気の毒なことですわ。女中衆でもお使いになればいゝのに」

「そんな贅沢なことを言ってられる身分じゃないと思って来ましたわ。