Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
義光ちゃんという子は父親は外交官なので在外中、英吉利婦人のナースをつけられたという話で英語は綺麗に喋りましたが日本語にはまだとき/″\舌たるいものがありました。あるとき千羽鶴の模様のある女生徒の着物を見て、得意そうに「この鶴、千ワアリヤス」と言ったという逸話が、この子にいつまでも附纏って、級友たちは「千ワ、千ワ」といって揶揄っていました。八重子さんは附属の小学校にいる子供で、十ぐらいなのに、もう一人前の中産階級の主婦の態を備えているといった女の子でした。鼻の峰を抓んだように眼が寄っている面長な顔がませさせてみせました。あのわたくしを苛めた目黒の別邸の夫人にちょっと面立ちが肖ていることがわたくしに何か皮肉な興味を持たせました。
この三人とわたくしは、また、舎宅に住んでいる安宅先生に所属のグループでもありました。各舎宅の先生は自分と自然に気に合う生徒たちを三四人か五六人ずつ選んで自由な出入りを許していました。
安宅先生の書斎に入り込んでわたくしは先生の廻転椅子に寄りかゝります。歿くなった父が学者であったことが、ちらりと思い泛べられます。他の子供たちは煖炉を取り囲んで大人びた形で勿体振った討議を致します。