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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

それで行き違う郭の芸人なぞは、

「いよう。ご両人」

と揶揄い声をかけますけれども、二人の姿は、つゆ乱れるところもなく同じリズムを霙の中に、しくりかえし、とくりかえしして行きます。その平静さは、どのくらい自信のある所作か判り兼ねるほどあたりを払って、落付き済しているようにも感じられます。眺め送るうち人間の所作としては向うが本当で、揶揄いかけるこっちが嘘のような気持に引込まれるらしく、郭の芸人は自分の身が寂しく詰らなくなったように暗澹とした口を開けたまゝいつまでもわれを忘れて見送っております。この夫婦乞食には派手なものを思い切ってよごしてみたという、それが危く魅力になりそうな痛烈な極度にまで届いた汚さがありました。

人の話によると、乞食は二人とも見かけよりは若い四十ほどの男女で、男は根からの白痴、女は嘗てこの遊里に郭勤めをしていた遊女が花柳病で頭を壊したその成れの果てということです。

赤の他人の二人に手をつなぎ出さしたのは、始め誰かゞふと思い付きの悪戯だったそうですけれども、二人は手をつないで物乞いしてみると、人は愛嬌にして物も容易く呉れ、夫婦乞食と呼ばれて世間からやゝ暖くも待遇されるので二人の手は離し難くなったのでありました。