Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

と言いました。

わたくしは地蔵堂へ帰り、折詰を開けて見ると、栗と思ったのは隠元豆のきんとんだったのでやゝ拍子外れしましたが田舎の料理屋のものならさもそうずと諾いてそれを食べながら、自分が前身の五感具足な娘のまゝを世にさらしてるときは思わぬ曲った影響を人々に与え、こうして不具者の唖を真似していると材木屋のご新造さんのように人は却ってそれを慰めに息づいている不思議な現象を、たゞ妙なことだと思いながら、一夜を明しまして、翌日同じ時刻に材木店の勝手口に立ちました。

するとご新造さんは待受けてたように勝手の障子を開けて、

「おう/\よく忘れずにね」と言って、わたくしを敷居に腰かけさせ、待たしている間に台所で握飯を握り、野菜の煮ものと一緒に竹の皮に包んで呉れました。

ご新造さんはきょうは何にも言わないで、これだけの恵みでわたくしを悦ばせて帰そうと思っていたらしいのですが、わたくしが感謝の気持を現すために例の唖言葉の、

「あー あー」

を言ってお叩頭をしますと、もう堪らなくなったらしく、

「もう/\そんなにお礼を言わなくてもいゝのだよ。あたしこそおまえさんに諦めを教えて貰ってるんだから――」