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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

花が代りに礼をいって呉れることでしょう。わたくしはその足で町の方へ廻りました。久し振りに遊郭へも入ってみようと町の表通りから溝の橋にかゝりました。そこで生憎と出会ったのが夫婦乞食でした。わたくしを見るや女乞食は早速、子供のやる、いーをしました。

「お洒落しゃれても惚れ手がないよ。なんだい、いゝ着物を貰って着て、おいらの旦那を惚れかそうなんて、――てめえは、いろ気狂いだぞ」

彼女のしどろもどろの悪罵の言葉の中からも、わたくしが汚い着物の下に美衣を着覆しているのをこの女は嗅ぎ付け、それによって嫉妬の火むらを一層高めているのを知りました。わたくしは夫婦乞食から距離を離れて遊郭の中へ廻り入ろうとしますと、女乞食は珍しく男乞食の手を離してわたくしに飛びかゝって来ました。

「いゝ着物よこせ」

わたくしの伊達巻へ手をかけて、ずる/\引きほどしました。馬鹿力です。

わたくしもあまりの執拗さについ、

「よしてよ」

と怒鳴ってしまい、これは、失敗ったと思いましたが既に取返しがつきません。えゝ、まゝよと思いますと、すぐその思いの下から、まゝよ三度笠横ちょに冠り破れかぶれの三度笠という小唄が口誦まれて来ます乞食の気散じな身の上。