Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
ふだんは校長さんのシャトーの物置に住んでいて、そこから毎朝、園庭の庭道具小屋に詰めていました。
二三日して学校が退けてから私は、何となくその庭道具小屋へ行ってみました。暖かく晴れた日で、コスモスのひょろ/\した花茎の影が小屋の羽目に鮮かに映っていました。
小屋の前に莚を敷いて葛岡は鼬を猟る罠だという横長い四角い箱の入口の落し蓋の工合をかたん/\いわせながら落し試みていました。
葛岡はわたくしを見ても気の付かぬ振りをして相変らず何とも言わずに例の上歯で下唇を噛み押えて笑いを我慢する様子をして、かたん/\いわすのを続けています。わたくしはちょっと軽蔑されたような憤りを感じましたが、なにを小癪と思って、わざと丁寧に、「こないだ、葡萄、ありがとう」と言いました。
すると、やっと葛岡は気がついたふうをしてわたくしを見上げ、眼を眩しそうに瞬きながら、
「温室で出来たアレキサンドリアだよ。うまかったかい」と子供をあやすような調子で言いました。
「吉良や義光ちゃんたちでみんな食べてしまったわ」
葛岡は「なんだい。そうか」とつまらなそうに言いましたが「じゃ、またやる。