Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

「あれっ、横着なやつ。もう射つ時間が切れると思って帰って来やがったのかしら――啓司君、頼むから射ってくれよ。あいつ/\/\」

「射ってやってもいゝが、大丈夫かい。あれほんとうに食える烏かい」

「大丈夫、確に山烏だ。嘴が華奢で羽色が紫色に光っている」

啓司は花田と牒し合わせ、屋根へ花田に枝木を投げさせて、烏が空へ飛び立つところを射とうと身構えをしました。啓司はこのまえ矢張り花田に頼まれ、屋根の烏を射って屋根瓦を弾丸で痛めて寺からさん/″\脂を絞られたのに懲り、いまは花田に智恵を授けたのでした。花田が枝木を振り上げ、投げようとするところへ他の一羽の烏が何処からか空中を滑って来て、「カア」と一声鳴きました。すると屋根の烏はその姿を見かけて跳ね上って追いました。銃声が鳴る。落ちた烏は致命傷ではなかったと見え、激しい脚力を出して境内を逃げ走ります。花田は枝木を投げ捨て、懸命になって追う。虚空蔵堂を廻って松の木につっかかって、落葉を捨てる空壕に飛び込んで、上衣を冠せてやっと押えました。

「畜生、世話をやかせるやつだ」

その恰好のおかしさ、わたくしは思わず笑います。