Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

町役場から一町半ほど南へ農家混りの商家が並びます。その中に「畑仕事作業服つくります」と看板を出した裁縫店もあります。それから町の中央に位する百瀬の家の大きな門構えが見えます。車廻しの蘇鉄や刈込んだ松が見え、それに向い合っていま小僧が暖簾をかけている商店造りの新百瀬の店があります。

そこまで来る途中に二人は、横の路地からひょっこり現れて啓司と花田の横を過ぎながら竹の大きなピンセットで路面のものを素早く挟んで背中の籠の中へ投げ込んで行く乞食を見ました。手拭で頬冠りしてその上に麦藁帽子をかぶり、古い印半纏に腰から下は汚れた印度人の腰巻のように腰へ巻いた剰りを股から前へ通して腹で挟んでいます。二人の存在を無視するようにのそ/\と行く。花田は呼び止めました。

「たんば、早くから稼ぐな」

するとその男はちょっと首をかしげて見ましたが、まるで紙鳶の片尾がとれて木へ傾きかゝるように二人の方へ肩を先に寄せて来ました。白い大きな顔の男で、額に苦労皺が罫線のように何本も几帳面に刻まれています。彼は花田の言ったことはちゃんと聞き取ったと見え、愛想よく、

「あゝ、稼ぐよ。稼がなくっちゃ」