Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
池上は飲める口と見え、徳利を自分で酌をしながら盃を口に運んでいます。女中は気を利かしたつもりか、食品の皿を運んで来たときにちょっと愛想を振りまくのほかは、あとは影を潜めています。
「まるで寒夜に千鳥でも聴きに来たようだ」
とか、
「元禄の頃、こゝから斜の向う河岸の辺に深川の芭蕉庵があったらしいんだよ」
とか池上は、話の継穂に困ったらしく、娘のわたくしには何の興味もない事柄を不揃いに喋ります。
わたくしは大きくなってもまだ、食物を食べるときには例の癖を出して、さま/″\の思いに耽りながら「そう」とか「そうなの」とか、上の空の返事をしていました。
ふと、学園の園芸手葛岡が秋の陽ざしを浴びながら鼬の罠を作っている姿が胸に浮びます。その後、鼬は獲れたのであろうか。あのとき、わたくしがほんのその場の出来ごころで安宅先生のことを言って気持を掬ってみたのに対し、思い込んだ顔付きをして「君には、まだ、何も判っていない」と言った言葉はどういう意味なのであろうか。その後、葛岡の姿を園芸場で見かけることはあるけれども、何だか彼からわたくしを避けるようにして横道へ切れたり、廻れ右をしてまた元へ引返してしまう。