Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

そういう煮え切らないとき、かの女はわたしの胸に取付いて必死に言う。「おじさん、いゝでしょう、ねえ、いゝでしょう」するとわたしの中で躊躇停滞させていたものが一種の光栄あるやけ力で弾ね飛ばされ、いざというときかの女を小脇に引っ抱えて立退こうとする仄明るい死の世界までが眼前に覗かれて来るのだった。「よし、やりなさい。」けれどもわたしは、なお心の震えが止らないので諦めの言葉でこう勇気付ける。「やり損なったら滅びる許りだ。どうせおれ達は滅びる人種にできている。」するとかの女はそういうわたしの顔を怪訝に見上げながらわたしの襟を揺り「どうしてこれっぽっちの事で、そんな大げさなことを言うの。怖いわ。いゝえ、あたしは滅びるのなぞ嫌です。」わたしはこれを聞いて女の本能の強さというか、いのちの逞しさというか、とにかくかの女の奥底知れないものにぶっ突かり、首筋を掴み上げられるように勇気立たされるのであった。

わたしは何回かこういう危機を冒してかの女を庇い通して来た。自分自身に対して根性悪く考えれば、人生に必要なスリルというもの、それをわたしは自分自身の為めに起す力を失ってしまっている。