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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

そのお礼にわたしは非望を捨て、わたしを捨てゝおまえの幸福ばかりを計るおじさんに還ろう。寂しいけれども、やっぱりそれがわたしの地についているような気がする。おまえに義務は負わせない。しかしこれだけは聴かして置きたい。おまえが捧げる相手が見付かるまで、わたしはなお禁慾の生活を続けるであろう。このくらいの秘密の繋りがなくて、たゞのおじさんと仮りの姪とではあまりに寂しい。

わたくしはこの長い手紙を、興奮したり、知ってるところの二度書きには退屈したり、心に触れて来るところでは涙を流したりしながら、やっぱり終いまで読まないわけには行きませんでした。読み終ってから、わたくしは、これが今まで自分に交渉して来た男たちとどう違うか、何か新しい見つけどころはあるのかと、手紙を胸に当てゝ考えてみました。すべてを差引して胸に染み残るものは、何だかこの男はわたくしの胸の中へ荒っぽく手を突き込んで、わたしの女の図星を強引に掴み出したような感じがすることです。わたくしに交渉して来た他の男は、わたくしに縋り寄りわたくしに被負さり、わたくしに何か強請りごとをする乞食臭いところがありました。