Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
何の奇もない平凡な景色で、学園のある懐地からの多那川の賑かな展望に較べると、物の表と裏のような感じがいたします。けれども陽は暖かいし、靄は晴れてしまったし、わたくしはとても良い気持になって、一つは学園には近いけれども滅多に来たことのない土地の様子を検分するつもりで、櫟林に沿うた大根畑との間の径を伝わって行きます。霜解けで土はだいぶ泥濘んで来ます。滑り加減の坂道を、靴の踵を踏み立てゝは丸味を帯びながら川へ下って行く丘を川岸へだら/\と降りて行きました。ひょっとしたら川岸の藪地に残りの山茶花でも見付けるかも知れない。
川水に近くなって、畑地は終り、雑木と雑草とが茫々と藪になっている地帯があります。そして、この雑草地帯の下は二三年前、大洪水のあったときに大きく崖土を持って行かれて、その後も崖肌は白土のまゝ露き出され、水は淀んで、ちょっとした淵になっているようです。淵にはとき/″\小鴨の寄る話を安宅先生はしていました。銃の音も犬の声も聞えなくなったが、ことによると先生はそこに降りて行ってるかも知れない。
うっとりした気持を続けてわたくしは雑草地帯を通り抜けているものですから、幾分広くなった白土の道へ、その藪の中から襤褸の小屋を架け出して何やら煙を立てゝいる物の形を何とも思わなかったし、そこに一人の出鱈目な服装