Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

わたくしはやゝ安心して、

「何のお薯なの」

と、先ず訊ね返してみました。老人は、燠の火の中から黒い塊を火串で拾い刺して、

「唐の芋、そら、お酉さまで、笹に通して売ってるでしょう、あれ」

黒い塊を冷めるように暫らく空気中を振り廻してからわたくしに串の根元を渡しました。

老人は、栗鼠のような小さい眼をぱち/\さして、わたくしがそれをどう扱うか、心配そうな、珍らしそうな様子でみました。

「もう冷めたでしょう。自分で剥いてごらんなさい。中から白い身が出ますよ」

わたくしは、なお決意しかねていると、老人は同じ抑揚の調子で、

「さっき、安宅先生と葛岡さんも通りかゝって食べて行きましたよ。おいしいって言ってましたよ」

わたくしのこころは、自分の素性の懸念のことから一足飛びに葛岡に対する思惑へと飛躍します。一年以上も、あんなにわたくしに外所々々しくしている葛岡が、わたくしの知らない所で安宅先生に伴っているのを急に不快に思い出して来ました。わたくしはいろ/\のことを籠めてこう訊ねました。

「あんた、安宅先生や葛岡さんを知ってるの」

すると老人は得意になって、

「学園の先生なら、校長さんはじめみんな知ってますよ。