Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
「何でも、安宅先生は、来年から学園を退くようになるんだってね。お嬢さん知ってるかね」
と言いました。これはわたくしには寝耳に水です。わたくしの意識は忽ち当面の事柄に向って浮び上りました。
「知らないわ、それ本当?」
わたくしには、また何か葛岡との間に問題でも起ったのではあるまいかという疑さえも出ました。
「じゃ、まだ、その話は表向きにはしてないのだな」と言って、老人は次のように話しました。
老人のみるところでは、前に二人は実にきれいなお友だち同志であった。ところが今年の春あたりから妙に二人の間に縺れが見え出した。安宅先生は嫉く、葛岡は言訳する。安宅先生は泣く、葛岡は途方に暮れる。時には夫婦喧嘩みたようなときもある。それがだん/\嵩じて、のっ引ならなくなり、安宅先生は葛岡の勤めている学園などにはもう一ときもいられないと駄々を捏ねて、その駄々をまた本当のことに捏ね直す羽目になり、いよ/\先生は来年の学課始めまでには学園の始末をつけて、どこか遠いところへ転任する相談が決まったらしい。「わしにも、先日、来年はいなくなると洩らされた。きょうは二人とも、昔のようにあっさりして晴々としたお友だち同志の顔をしていたがね、たゞ、ときどき薯を食う間に二人ともそっと溜息をついていたよ。