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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

発明節の乞食は鬚だらけの顔をさも億劫そうに動かしながら、ごく簡単に返事を致します。しかし、これだけぐらいのことでもこの商人に取っては世間の景気の機微は掴めるのでもございましょう。豊島は人に向うと「乞食を三年、幇間を三年、モグリ弁護士を三年やって来てからでなくちゃ、本当の仕事師には成れねえ」こんなことをしょっちゅう言い放っていたような処世哲学を持っていた男だそうでございますから。

ある朝、親子乞食が来たので豊島は窓へ来ますと、子供が紙片れを差出しました。それは同じ長屋に住む浮浪人たちの毎度の食べものを表に作って記したものでありました。

ヅケとか川越チャブとか鮒チャブとか、それは子供が僅に同宿者に教えて貰った片仮名と数字だけで印づけられたものであって、かなり口の説明を添えねばならぬものがありましたけれども、豊島が、親に向って一番煩く聴き度がる貧窮者の景気の状態を食事の種類で見て取ろうとするその要領を幼く整理図計して呉れたものでありました。豊島は喜んで訊きました。

「これ、おまえ一人で考えて書いたのか」

「あゝ、そうだよ、おじさん」

豊島は、うーむと唸りました。