Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
病気とでも言って帰りなさい」
と言うかと思うと、ふいと行ってしまったことを思い出しました。人にそんな親切があるくらいなら、安宅先生にも、もう少しは労わりを見せて、辞職の羽目にまで突き落さずともよさそうなものなのに、おめ/\傍で見殺しにするとは、たとえ葛岡の気持として、わたくしと安宅先生へとでは、向う性質が違っているにしろ、何か根に冷酷か鈍感なものを持っている野性の男なのではないか知らん。とまれ、安宅先生の辞職という事件を惹起してわたくしにこうも気を揉ませる男は、憎むべき男である。この腹癒せには、何か復讐をしてやらなければ気が済まないと、連れの八重子の訝るのも関わずに、ぷん/\腹を立てながら、もう約束の時間にも間もないので、八重子を連れて男の子たちが指定したM――店へ入り、クリスマスの為めに樅の木に装飾の美しい二階の食堂へ上って待受けました。
やがて十二時過ぎに、吉良と義光ちゃんは張合いの抜けた顔をして帰って来ました。二人の話を聞くと、校長先生は、昨日安宅先生が来て、ちょっとそんな話はしたが、なにしろ藪から棒のことだし、それに安宅先生というものは学園を創めるときからのスタッフの一人であるし、よく/\の事情のない限りは、おいそれと関係を切り離せるものでない。