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Japanische Klassiker mit Furigana

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せいとしとのきろく

生と死との記録

豊島 与志雄

Lesen Sie 生と死との記録 (せいとしとのきろく) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.961 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

」私はそんなことを云った。「私はまた疫痢にでもなるんではないかと思って……。」と芳子は云った。

私達は十二時頃床についた。芳子が産期近くなってから堯は私と寝るようになったが、其晩芳子は堯を抱いて寝てやった。

その夜中に下痢が二回あった。便の色が非常に悪かった。然し朝になっても別に容態が悪いようでもなかった。熱は六度四分だった。「この分ならいい。」と私は思った。

私は厳格なる公務を帯びている身だった。それでいつものように六時すぎに家を出た。然し絶えず気がかりだった。そして十一時家に帰って来た。

堯は眠っていた。容態は変っていなかった。十時頃U医師が来て腸の洗滌を一回したそうである。下痢が朝一回と、私が帰って来てから一回あった。然し此度は、便に極めて少量の黒ずんだ赤いようなものが混じていた。食慾は一切なかった。

「これはいけない。」という気がした。堯は前から消化不良がひどい時でも、食慾が少しも無いということは殆んどなかったのが、急にはっと思い出された。私は少し狼狽し出した。私の帰るのを待っていた芳子も急に騒ぎ出した。

十二時頃になると堯はひどくぼんやりして来た。