Japanische Klassiker mit Furigana
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せいとしとのきろく
生と死との記録
豊島 与志雄
Lesen Sie 生と死との記録 (せいとしとのきろく) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.961 Zeichen · 39 Bildschirme
そしてまた後は静かになった。十分ばかりすると、また同じような事が起った。「痙攣だ!」そういう考えが私の頭に電光のように閃いた。もうどうにも出来なかった。その軽微な痙攣は頻繁に襲って来た。私達はじっと堯の小さな手を握ってやっていた。顔を近寄せたり遠ざけたりしたが、もう視力も非常に衰えているらしかった。が時々微笑んだ。
S子さんが帰って来た。私達はほっとした。――先ずU病院へ行った。氏は往診中で七時頃でなければ帰られないそうだった。ですぐに大学の研究所のS氏の所へ行った。丁度横浜へ行かれて不在中だった。それでまたU病院へ帰って来て、副院長をと頼んだ。丁度同病院には、大学の研究所へ通っていて日曜毎に出て来られるTという小児科出の医学士の人が居た。病院から大学へ電話をかけてくれた。すぐに行くというT氏の答えだった。
私達はT氏を待った。
二時すぎには、堯はもう殆んど意識を失ったように見えた。何を云っても、何を見せても、ぼんやりしていた。軽微な痙攣がやはり時々襲った。
何時の間にそんな急な変化が起ったのか。ただじっと静かに苦しみもしないで寝ているうちに、堯の体内ではどんな戦が戦われたか。