Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしまんじどもえ
生死卍巴
国枝 史郎
Lesen Sie 生死卍巴 (せいしまんじどもえ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.598 Zeichen · 182 Bildschirme
まい。
しかし花野の美しさは、彼女達にそういう危険をさえ、感じさせないように思われた。
花を摘んでは手に抱え、歌いながら先へ進んで行く。
丹生川平の人々
はたしてこの頃一群の人数が、丹生川平の方角から、こなたへ向かって歩いて来た。
その中の一人は意外にも、醍醐弦四郎その人であり、その他は恐らく丹生川平の、住民達であろう、筒袖を着て山袴を穿いて、腰に一本ずつ脇差しを差した、精悍らしい若者達で、その数総勢で十人であった。
花野を踏み踏み歩いて来る。しかしおおっぴらに歩けないのでもあろう、木立があれば木立に隠れ、灌木があれば灌木に隠れ、林があれば林に隠れ、森があれば森に隠れて、忍ぶがように歩いて来る。
「醍醐様そろそろ近づきました。なるだけご用心なさいますよう」
一人の若者がこう云いながら、弦四郎の顔を覗くように見た。
「たかが山奥の住民どもだ、武芸の心得などロクロクあるまい。襲って参らばよい幸いに、この弦四郎みなごろしにしてやるよ」
弦四郎は太々しくこんなことを云ったが、
「美しい娘があるということだの?」
「はいはい小枝と申しまして、美しい娘がございます」
「丹生川平の浪江殿と、どっちの方が美しいかな?」