Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
でんえんのまぼろし
田園の幻
豊島 与志雄
Lesen Sie 田園の幻 (でんえんのまぼろし) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.053 Zeichen · 17 Bildschirme
怪しい物陰などのことを思ったせいだろうか。遠い太鼓の余韻のせいだろうか。狐火は美しいが、杉の沼は陰気すぎる。
狐火はまだ見えていた。数は増してゆくようだ。私は酒を飲み、宗吉は鶏鍋をつっついている。
「然し、夜光虫は今でもいるし、その作用を狐火だとすれば、狐火が無いとも言えないでしょう。」
「そんな風に言えば、狐火もあるわけだが……。」
二人とも、なんだか口数少く、話がはずまないのである。
すると、下女が宗吉を呼びに来た。茂助さんが来てると言う。
一人になって、私はぼんやり狐火を眺めていた。酒を飲んだり、煙草をふかしたりして、またも狐火を眺めた。だいぶ時間がたって、戻ってきた宗吉は、妙にくしゃくしゃな顔をしていた。
彼はどっかと胡坐をかいた。
「茂助が自転車をかりに来たんだが……やはり杉の沼だ。」
杉の沼で、三好屋の花子が溺れ死んでいたのである。鰻の夜釣りに行った平作がそれを見つけた。平作は他の部落の者だが、花子を見知っていた。藻の間に仰向きに浮いて、縮れ毛が顔にかかっていたが、花子だと分った。三好屋に馳けつけて知らせた。八幡様からぬけ出して三好屋で飲んでいる男たちがいて、すぐに助けに出たが、とても駄目だろうとのことだ。