Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いなかのおかあさん

田舎のお母さん

小川 未明

Lesen Sie 田舎のお母さん (いなかのおかあさん) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.201 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

」と、いって、お嬢さんは先になってその会場へおはいりになりました。

おみつも、その後からついてはいりました。

そこには、田舎でつくられたおり物とか、道具とか、おもちゃのようなものがならべられてありました。デパートの他の売り場では見ることができないような、けばけばしくはないが、じみで美しい、おもしろみのある品物がありました。一つ一つ見て歩いていらしったお嬢さんは、ふいに足をとめて、

「ちょっと、ここにならんでいる反物は、おまえの国の町からなのよ。まあ、みつや、この反物は、おまえの着ているのと同じでないこと!」と、お嬢さんはおっしゃいました。

おみつもそれを見ると、しまがらがすこしちがっているだけで、まったく自分のと同じ手おり物でありました。つけてあるねだんを見て、お嬢さんは二度びっくりして、

「まあ、高いのね!」と、大きな声でおっしゃったので、そばにいる人たちまでが陳列された反物とおみつの着物とを見くらべて、この女中さんはなかなかいい着物を着ているのだなといわんばかりの顔つきをしたのであります。

おみつはそれを知ると、はじめて自分がいい着物をきているのを知ってうれしかったというよりか、自分の故郷ではこんないい反物ができるということに、誇りを感じたのでした。