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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうしゅうぐんないようかいじけんとりしらべほうこく

甲州郡内妖怪事件取り調べ報告

井上 円了

Lesen Sie 甲州郡内妖怪事件取り調べ報告 (こうしゅうぐんないようかいじけんとりしらべほうこく) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.934 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

その術は、口舌を動かさずに言語を発する術にして、そのはじめギリシアに起こり、当時は魔声なりと信ぜりという。果たしてしからば、その声は、もとより唇舌の間に発するものにあらずして、多分咽喉の辺りより発するものなるべければ、これを聴きてその位置を指定し難きも、もとより当然のこととす。それ音響の位置は、ただこれを聴けるのみにては容易に知り難きものにして、吾人が日常他人の言語を聴くに、その声の某の口より発することを知るは、単に耳の感覚にのみよるにあらず、必ず目の感覚これを助け、某の言語に伴いてその唇舌の動くを見るによるなり。しかるに、かの怪声のごときは、たといかの女子の発するものに相違なかるべきも、唇舌これに伴いて動くにあらず。かつ、その声の一種奇怪にして、いまだかつて聞きなれざるものなる上は、ただ聴官によりてこれを感ずるのみにて、視官の補助を受くることあたわざるものとす。これ、その位置の明らかに知れざるゆえんなり。

第二に、その声に予言、察心の力ありというの故をもっては、いまだにわかに、その声がかの女の体内に出でしものにあらざることを断ずべからず。その故いかんというに、他人の年齢のごときは、想像によりてもたいてい知らるるものにて、特にかの女子が平素交際せる人の年齢のごときは、必ず知りおることもちろんなり。