Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

こうしゅうちんぶたい

甲州鎮撫隊

国枝 史郎

Lesen Sie 甲州鎮撫隊 (こうしゅうちんぶたい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.891 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

「うむ。……しかし、もう斬合いは終えたらしいが……」

「いえ……まだ彼方で……恐ろしくて恐ろしくて……」

「そうか。……では……」

と云って、総司は体を開くようにした。

二人は部屋へ這入った。夜具が敷かれてあり、枕元に、粉薬だの煎薬などが置いてあるのを見ると、女は、ちょっと眉をひそめたが、総司が、その夜具の上へ崩れるように坐り、はげしく咳入ると、すぐ背後へ廻り、背を撫でた。

「忝けない」

「いえ」

行燈の光で見える総司の顔色は、蒼いというより土気色であった。でも、新選組の中で、土方歳三と共に、美貌を謳われただけあって、窶れ果ててはいたが、それが却って「病める花弁」のような魅力となってはいた。それに、年がまだ二十六歳だったので、初々しくさえあり、池田屋斬込みの際、咯血しいしい、時には昏倒しながら、十数人を斬ったという、精悍なところなどは見られなかった。

女は、背を撫でながら、肩ごしに、総司の横顔を見詰めていた。眉は円く優しかったが、眼も鼻も口も大ぶりの、パッと人眼につく、美しい女であった。でも、その限が、剃刀のように鋭く光っているのは何うしたのであろう。やがて総司は、女に介抱されながら、床の上へ寝かされた。