Japanische Klassiker mit Furigana
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えのかなしみ
画の悲み
国木田 独歩
Lesen Sie 画の悲み (えのかなしみ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.772 Zeichen · 10 Bildschirme
これは面白ろい、彼奴を写してやろうと、自分はそのまま其処に腰を下して、志村その人の写生に取りかかった。それでも感心なことには、画板に向うと最早志村もいまいましい奴など思う心は消えて書く方に全く心を奪られてしまった。
彼は頭を上げては水車を見、また画板に向う、そして折り折りさも愉快らしい微笑を頬に浮べていた。彼が微笑するごとに、自分も我知らず微笑せざるを得なかった。
そうする中に、志村は突然起ち上がって、その拍子に自分の方を向いた、そして何にも言いがたき柔和な顔をして、にっこりと笑った。自分も思わず笑った。
「君は何を書いているのだ、」と聞くから、
「君を写生していたのだ。」
「僕は最早水車を書いてしまったよ。」
「そうか、僕はまだ出来ないのだ。」
「そうか、」と言って志村はそのまま再び腰を下ろし、もとの姿勢になって、
「書き給え、僕はその間にこれを直すから。」
自分は画き初めたが、画いているうち、彼を忌ま忌ましいと思った心は全く消えてしまい、かえって彼が可愛くなって来た。そのうちに書き終ったので、
「出来た、出来た!」と叫ぶと、志村は自分の傍に来り、
「おや君はチョークで書いたね。