Japanische Klassiker mit Furigana
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がひつにいきるごじゅうねん
画筆に生きる五十年
上村 松園
Lesen Sie 画筆に生きる五十年 (がひつにいきるごじゅうねん) von 上村 松園 (うえむらしょうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.936 Zeichen · 27 Bildschirme
そこでスィッチをひねります。体を伸ばして静かに手を胸に組んで目をつぶります。そのまま眠ってしまうかというとそうではなく、しばらく静かにしておりますと、閉じた目の前に美しいさまざまな色彩が浮かぶ、昔見た美しいとじ糸のついた絵日傘が浮かぶ、いつか見た絵巻物が鮮やかに展開する。そうしていつかしら私はぐっすり眠ってしまいます。また次の夜も同じように見ます。こうして一週間もたつと、制作のヒントが具体的にこの夢現の中に得られるのが度々でございます。
「今夜は早く寝ましょう」と人にもいって、平常の習慣で、画室の戸締まりをしに入りますと、昼間描いた絵がふと目に入ります。つい筆をとって一筆加える。そばの参考の本をめくって見る、また筆を加える。気がついた時は夜は深く更けてしまっております。
今の私は、少しでもよい画を描きたい、よいものを遺してゆきたいと思うほか何も考えておりません。禅の言葉に、「火中の蓮華」ということがあります。その深い意味は知りませんが私はこう思っております。火の燃えさかる中にカッと開いている蓮華の状は、如何にも壮んで勇猛心に燃えているように思われてなりません。