Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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がひつにいきるごじゅうねん

画筆に生きる五十年

上村 松園

Lesen Sie 画筆に生きる五十年 (がひつにいきるごじゅうねん) von 上村 松園 (うえむらしょうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.936 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

また、私はどんな用向きの画でも、現在の自分の力を精一杯尽くして描かなくては、承知できない性ですので、いい加減に急ぎの頼まれものを、片づけてしまうというようなことがどうしてもできません。こうして、間に一つ仕事をはさみ込みますと、どうも気持ちが二つに割れて工合よくゆきません。気軽にかかれるものでしたら、さっさと、次の仕事に移れますが、上納の画こそは、永久御物として、御保存のごく名誉の御用画として我が精根を打ち籠めたいと思えば思うほど、そうは運びません。秋には展覧会に是非出品せねばならず、またその後少しく健康をそこない、かくしてついのびのびと相成り、いつしか永き歳月をかさね、あまりにも恐れ多く、たえず心痛をいたしておりました。

この二、三年来、非常に健康になりましたので、今年は是が非でも上納申し上げねばと、心に定めました。そして永年延引のおわびには非常なる力作をお納め申し上げねば相すまぬと心に存じました。丁度三室戸伯爵からも、今年六月に皇太后陛下がお久し方振りに京都に行啓あらせられるから、その折りに間に合うようにというお話もありました。

早春二月から、一切の頼まれものはお断わりし、雑事を排して、専心、上納画の下絵にとりかかりました。