Japanische Klassiker mit Furigana
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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Lesen Sie 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.507 Zeichen · 291 Bildschirme
、市野さんもよくよく持て余したとみえて、今夜も尾花川の堤へ来て、いよいよ何とか相談をきめるということになりました。
日の暮れるのを待ちかねて、わたくしは堤の芒をかきわけて行くと、あなたが先に来て釣りをしておいでなさる。そこがいつも市野さんと逢う場所なので、よんどころなく芒のかげにかくれて、市野さんの来るのを待っていると、やがてやって来て、しばらくあなたと話しているので、わたくしも焦れったくなって芒のかげから顔を出すと、市野さんも気がついて、いい加減にあなたに挨拶して別れて、わたくしと一緒に川下の方へ行くことになりました。
市野さんはお前がそれほどに言うならば、元々通りになってもいい。いっそ両親にわけを話して、表向きに結婚してもいい。しかし今のように病院通いの身の上では困る。まずその悪い病気を癒してしまった上でなければ、どうにもならない。ついては、おまえの病毒は普通の注射ぐらいでは癒らない。わたしが多年研究している秘密の薬剤があって、それを飲めばきっと癒るから、ふた月ほども続けて飲んでくれないかと言うんです。
わたくしはすぐに承知して、ええ、そんな薬があるならば飲みましょうと言うと、市野さんは袂から小さい粉薬の壜を出して、これは秘密の薬だから決して人に見せてはいけない、飲んでしまったら空壜を川のなかへほうり込ん