Japanische Klassiker mit Furigana
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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Lesen Sie 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.507 Zeichen · 291 Bildschirme
柳島に近いところに住んでいる小原数馬という旗本屋敷から受取ったものである。小原は小普請入りの無役といい、屋敷の構えも広いので、裏のあき地一円を畑にしていろいろの野菜を作っているが、それは自分の屋敷内の食料ばかりでなく、一種の内職のようにして近所の商人にも払い下げている。なんといっても殿様の道楽仕事であるから、市場で仕入れて来るよりも割安であるのを幸いに、ずるい商人らはお世辞でごまかして、相場はずれの廉値で引取って来るのを例としていた。八百屋の亭主は伊平の話を聴いて顔をしかめた。
「実は小原さまのお屋敷から頂く野菜は、元値も廉し、品も好し、まことに結構なのですが、ときどきにお得意さきからお叱言が来るので困ります。現にこのあいだも南瓜から小さい蛇が出たと言ってお得意から叱られましたが、それもやっぱり小原さまから頂いて来たのでした。ところで、今度はお前さんのお屋敷へ納めた西瓜から蛙が出るとは……。尤もあの辺には蛇や蛙がたくさん棲んでいますから、自然その卵子がどうかしてはいり込んで南瓜や西瓜のなかで育ったのでしょうな。しかし西瓜が女の生首に見えたなぞは少し念入り過ぎる。