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Japanische Klassiker mit Furigana

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うみがめ

異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二

岡本 綺堂

Lesen Sie 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.507 Zeichen · 291 Bildschirme

Aozora Bunko

それから三日の後に、わたしは倉沢の家を立去って京都へ行った。彼は停車場まで送って来て、月末の廿九日午前にはきっと帰って来てくれと、再び念を押して別れた。

京都に着いて、わたしは倉沢のところへ絵ハガキを送ったが、それに対して何の返事もなかった。彼が平生の筆不精を知っている私は、別にそれを怪しみもしなかった。

廿九日、その日は二百十日を眼のまえに控えて、なんだか暴れ模様の曇った日で、汽車のなかは随分蒸し暑かった。午前十一時をすこし過ぎたころに静岡の駅に着いて、汗をふきながら汽車を降りると、プラットフォームの人混みのなかに、倉沢の家の若い雇人の顔がみえた。彼はすぐ駈けて来て、わたしのカバンを受取ってくれた。

つづいて横田君の姿が見えた。かれは麦わら帽をかぶって、白い洋服を着ていた。出迎えの二人は簡単に挨拶したばかりで、ほとんど無言でわたしを案内して、停車場の前にあるカフェー式の休憩所へ連れ込んだ。

注文のソーダ水の来るあいだに、横田君はまず口を切った。

「たぶん間違いはあるまいと思っていましたが、それでもあなたの顔が見えるまでは内々心配していました。早速ですが、きょうは午後二時から倉沢家の葬式で……。