Japanische Klassiker mit Furigana
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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Lesen Sie 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.507 Zeichen · 291 Bildschirme
」
こんな対話が耳にはいったので、接待に出ている僕も口を出した。
「それは何ですか、どういう事件なのですか。」
「いや、東京の人に話すと笑われるかも知れない。」と、山木はさかずきをおいて、自分がまず笑い出した。
山木はまだ半信半疑であるらしいが、第三の男――僕はもうその人の顔を忘れていたが、あとで聞くと、それは町で糸屋をしている成田という人であった――は、大いにそれを信じているらしい。彼はいわゆる東京の人に対して、雄弁にそれを説明した。
この村はずれに小袋ヶ岡というのがある。僕は故郷の歴史をよく知らないが、かの元亀天正の時代には長曽我部氏がほとんど四国の大部分を占領していて、天正十三年、羽柴秀吉の四国攻めの当時には、長曽我部の老臣細川源左衛門尉というのが讃岐方面を踏みしたがえて、大いに上方勢を悩ましたと伝えられている。その源左衛門尉の部下に小袋喜平次秋忠というのがあって、それが僕の村の附近に小さい城をかまえていた。小袋ヶ岡という名はそれから来たので、岡とはいっても殆んど平地も同様で、場所によってはかえって平地より窪んでいるくらいだが、ともかくも昔から岡と呼ばれていたらしい。