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Japanische Klassiker mit Furigana

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いしつしょうくばいさよう

異質触媒作用

寺田 寅彦

Lesen Sie 異質触媒作用 (いしつしょうくばいさよう) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.360 Zeichen · 13 Bildschirme

Aozora Bunko

それで課長殿が窓際へ行って信号の出処を見届けようとしても、光束が眼を外れると鏡は見えなくなり、眼に当れば眩惑されるので、もしも相手が身体を物蔭に隠して頭と手先だけ出してでもいればなかなか容易に正体を見届けることは困難であろうと想像される。そうして、そういうことが白昼烈日の下に行われ、しかもその下でなければ行われ難いところに妙味があるようである。しかしあまり度々こんな悪戯をやると警官に怪しまれるであろうが一度だけは大丈夫成功するであろうと思われる。それはとにかく、このヘリオトロープの信号は少なくも映画や探偵小説の一場面としてはこれも一遍だけは適当であろう。

「モナリザの失踪」という映画に、ヒーローの寝ころんで「ナポレオンのイタリア侵入」を読んでいる横顔へ、女がいたずらの光束を送るところがあったようである。

四 ドライヴ

身体の弱いものがいちばんはっきり自分の弱さを自覚させられて不幸に感ずるのは、この頃のような好い時候の、天気の特別に好い日である。健康ならばどんなにでも仕事の能率の上がる時でありながら気分が悪くて仕事が思うように出来ず、また郊外へ散歩にでも行けばどんなに愉快であろうと思うが、少し町を歩いただけで胃の工合が悪くなってどうにも歩行に堪えられなくなる。