Japanische Klassiker mit Furigana
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いほうじんのいよく
異邦人の意欲
豊島 与志雄
Lesen Sie 異邦人の意欲 (いほうじんのいよく) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.193 Zeichen · 11 Bildschirme
とこういう風に説くブハーリンの文章を読む時、たといそれが戦争を主題としたものであろうとも、祖国という言葉が如何に不当な使用を受けてるかを、吾々は感ずる。吾々が持つ祖国の観念は、権力の観念を離れたものである。権力の観念と結びつく国家という言葉と、そうでない祖国という言葉とは、吾々の胸に異った響きを伝える。
茲にいう祖国――広い意味での祖国――とは、同感を有する民衆の生活雰囲気を指す。民衆の生活雰囲気から同感を持たれない者は、常に一種の異邦人である。一足前方から、あるいは一歩深いところから、民衆に呼びかけようとする者は、多くは異邦人の歎を経験する。
民衆の生活は、緩慢で鈍感である。強力であって、左顧右眄をしない。牛の如きものである。殊にその生活が現代のように貧窮し逼迫してくると、当面の必要事以外に目を向けたがらない。公衆は騒ぎ立てるが、民衆は默って当面の問題を見つめている。「民衆は貧窮している。だがまだつつましく忍んでいる。民衆は真の意味での生活を愛する。そして公衆の如き愚劣な野心と見得とを持たない。……社会は動いている。だが民衆はまだ動いてはいない。