Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きけいのてんにょ

畸形の天女

江戸川 乱歩

Lesen Sie 畸形の天女 (きけいのてんにょ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.893 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

今まで着ていたオーバーや、背広や、ワイシャツ、ネクタイ、靴下、靴にいたるまで、鞄の中におしこみ、あらかじめそこに入れてあった別の服装と着更えたのだ。

襟のあぶらじんだ、肘のすれて光った紺サージの背広、ワイシャツはなくて、赤茶色の太い横縞のセーター、折り目のない薄よごれた綿ギャバジンのズボン、赤黒いドタ靴、頭には、さっきのハンチング。そのハンチングの下から、なんだか黒い鉢巻のようなものが見えていた。

夢の国にはいるのには、それだけでは足りなかった。彼は顔を変えなければならなかった。一と組の義歯。すべてがここから出発していた。彼は一年ほど前、総入れ歯がいたんだので、別の歯科医に新らしいのを作らせた。それを入れて鏡を見ると、自分の相好が変わっているのに気づいた。家内のものもそのように言った。前の入れ歯に比べて、歯の植え方が少しちがっていて、いくらか出っ歯になっていたからだ。その鏡の顔をつくづくながめているうちに、彼は大発見をしたような気持になった。歯の植え方をずっとちがえて、いろいろ工夫をこらせば、別人になれるかもしれない。すると、誰かに聞いた上山草人のことが思い出された。