Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 痴人の愛 (ちじんのあい) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.399 Zeichen · 353 Bildschirme

Aozora Bunko

「衝きあたらないように行けばいいのよ、………ほら、御覧なさい、あの人だって彼処を突ッ切って行ったじゃないの。だからいいのよ、行って見ましょうよ」

私はナオミのあとに附いて広場の群衆を横切って行きましたが、足が顫えている上に床がつるつる滑りそうなので、無事に向うへ渡り着くまでが一と苦労でした。そして一遍ガタンと転びそうになり、

「チョッ」

と、ナオミに睨みつけられ、しかめッ面をされたことを覚えています。

「あ、あすこが一つ空いているようだわ、あのテーブルにしようじゃないの」

と、ナオミはそれでも私よりは臆面がなく、ジロジロ見られている中をすうッと済まして通り越して、とあるテーブルへ就きました。が、あれ程ダンスを楽しみにしていたくせに、すぐ踊ろうとは云い出さないで、何だかこう、ちょっとの間落ち着かないように、手提げ袋から鏡を出してこっそり顔を直したりして、

「ネクタイが左へ曲っているわよ」

と、内証で私に注意しながら、広場の方を見守っているのでした。

「ナオミちゃん、浜田君が来ているじゃないか」

「ナオミちゃんなんて云うもんじゃないわよ、さんて仰っしゃいよ」

そう云ってナオミは、又むずかしいしかめッ面をして、