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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 痴人の愛 (ちじんのあい) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.399 Zeichen · 353 Bildschirme

Aozora Bunko

実は昨日、つまらないことでちょっと喧嘩したもんですから、………」

「それで当人は、此処へ来ると云って出たんですか」

「当人じゃあない、僕がそう云ってやったんですよ、これから直ぐに浅草に帰って、人を寄越せッて。―――誰かあなた方が来て下されば話が分ると思ったもんですから」

「へえ、成る程、………だけどとにかく手前共へは参りませんのよ、そう云うことなら追っ付け来るかも知れませんけれど」

「だけどもお前、昨夜ッからなら分りゃしねえぜ」

と、そうこうするうちに兄貴も出て来て云うのでした。

「そりゃ何処か、お心当りがおあんなすったら外を捜して御覧なさい。もう今まで来ねえようじゃあ、此処へ帰っちゃ来ますまいよ」

「それにナオちゃんはさっぱり家へ寄り付かないんで、あれはこうッと、いつだったかしら?―――もう二た月も顔を見せたことはないんですよ」

「では済みませんが、もしも此方へ参りましたら、たとい当人が何と云おうと、早速どうか僕の所へ知らして戴きたいんですが」

「ええ、そりゃあもう、あッしの方じゃ今更あの児をどうするッて気はねえんですから、来れば直ぐにも知らせますがね」

上り框へ腰をかけて、出された渋茶をすすりながら、私は暫く途方に暮れていましたけれど、妹が家出をしたと聞いても別に心配をするのでもない姉や兄貴が相手では、ここで衷情を訴え