Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 痴人の愛 (ちじんのあい) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.399 Zeichen · 353 Bildschirme

Aozora Bunko

とにかくヒドイ仇名だと思って、想像なすったら分るんですよ。尤もそう云う仇名が附いた、由来だけならお話してもよござんすがね」

「じゃあその由来を聞かして下さい」

「しかし河合さん、………困っちゃったなあ」

と云って、浜田は頭を掻きながら、

「それも随分ヒドイんですよ、お聞きになったらいくら何でも、きっと気持を悪くしますよ」

「いいです、いいです、構わないから云って下さい! 僕は今じゃ純然たる好奇心から、あの女の秘密を知りたいんです」

「じゃあその秘密を少々ばかり云いましょうか、―――あなたは一体、この夏鎌倉にいらしった時分、ナオミさんに幾人男があったと思います?」

「さあ、僕の知っている限りでは、君と熊谷だけだけれど、まだその外にもあったんですか?」

「河合さん、あなた驚いちゃいけませんよ、―――関も中村もそうだったんですよ」

私は酔ってはいましたけれど、ビリリと体に電気が来たような気がしました。そして思わず、眼の前にあった杯をガブガブ五六杯引っかけてから、始めて口を利きました。

「するとあの時の連中は、一人残らず?―――」

「ええ、そうですよ、そうしてあなた、何処で会っていたと思うんです?」