Japanische Klassiker mit Furigana
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やせがまんのせつ
瘠我慢の説
木村 芥舟
Lesen Sie 瘠我慢の説 (やせがまんのせつ) von 木村 芥舟 (きむらかいしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.313 Zeichen · 11 Bildschirme
これぞ我大日本国の開闢以来、自国人の手を以て自国の軍艦を運転し遠く外国に渡りたる濫觴にして、この一挙以て我国の名声を海外諸国に鳴らし、自から九鼎大呂の重を成したるは、事実に争うべからず。就中、木村摂津守の名は今なお米国において記録に存し、また古老の記憶する処にして、我海軍の歴史に堙没すべからざるものなり。
当時、諭吉は旧中津藩の士族にして、夙に洋学に志し江戸に来て藩邸内に在りしが、軍艦の遠洋航海を聞き、外行の念自から禁ずる能わず。すなわち紹介を求めて軍艦奉行の邸に伺候し、従僕となりて随行せんことを懇願せしに、奉行は唯一面識の下に容易くこれを許して航海の列に加わるを得たり。航海中より彼地に至りて滞在僅々数箇月なるも、所見所聞一として新ならざるはなし。多年来西洋の書を読み理を講じて多少に得たるところのその知見も、今や始めて実物に接して、大に平生の思想齟齬するものあり、また正しく符合するものもありて、これを要するに今度の航海は、諭吉が机上の学問を実にしたるものにして、畢生の利益これより大なるはなし。而してその利益はすなわち木村軍艦奉行知遇の賜にして、終に忘るべからざるところのものなり。