Japanische Klassiker mit Furigana
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らい
癩
島木 健作
Lesen Sie 癩 (らい) von 島木 健作 (しまきけんさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.753 Zeichen · 74 Bildschirme
次第にその存在が人々にとって興味がなくなり、路傍の石のように忘れられ、相手にもされなくなるということは、生きている人間にとっては我慢のできないことであった。
ここの世界で発行されている新聞が時々配られる。それにはいろいろ耳寄りなことが書いてある。所内には新しくラジオが据えつけられ、収容者に聞かせることになった、図書閲覧の範囲が拡大された、近いうちに、巡回活動写真が来る、等々。だがそれらはすべてこの一廓の人間にとっては全く無縁の事柄なのである。病人は寝ているのが仕事だ、悪いことをしてここへ来て、遊んで寝そべって、しかも毎日高い薬を呑ませてもらっているとは、何と冥利の尽きたことではないか、というのであった。――刑務所内の安全週間の無事に終った祝いとして、収容者全部に砂糖入りの団子が配られ、この隔離病舎にだけはどうしたものかそれが配られず、後で炊事担当も病舎の担当もここのことは「忘れて」いたのだ、と聞かされた時、とうとう欝結していたものが一人の若者の口から迸り出た。「なに、忘れていたって! ようし思い出させてやるぞ!」雑居三房にこの二た月寝っきりに寝ていたひょろひょろした肺病やみの若者がいきなりすっくと立ち上った。