Japanische Klassiker mit Furigana
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とざんのあさ
登山の朝
辻村 伊助
Lesen Sie 登山の朝 (とざんのあさ) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.521 Zeichen · 11 Bildschirme
ろうそくが惜しいので、ランターンを消してしまって、この昨日踏み固めに来た終点で、ひいて来たロープの上に腰をおろして一休みした。三千三百メートルと、地図に記された地点である。
ランターンを消してしまうと、目はようやく暗がりに慣れて、星明かりが思ったよりも明るくなる。私たちの正面には、クーロアールが胸をつくばかりにつっ立っている。まっ黒にそびえた、そのアレトに境されて、下はクーロアールの、「辛うじて積雪をとどめ得る」と記載された急斜で、上は満天の星が、グロース・シュレックホルンの空にばかり集まったように忙しくまたたいている。アレトの上を斜めに流れたのを、銀河とばかり思っていたが、それは空に凍りついて、じっといつまでも動かない薄雲にすぎなかった。
もう四時半になった、山は依然として薄暗く、空にはまだ暁の色はただよわない、そしてまた一同が立ち上がった折も、再びランターンの光を借りなくては、クレヴァースの口を開いた、シュレック・フィルンを横切ることはできなかった。
ここからもう足形はない、雪は堅く凍って、靴底の釘がガリガリ食い入るだけで、今までよりもかえって歩きやすい、しかし私たちは、注意に注意して、大小のクレヴァースの間を縫って、静かに、つま先上りのフィルンを登って行った。