Japanische Klassiker mit Furigana
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とざんだんぎ
登山談義
木暮 理太郎
Lesen Sie 登山談義 (とざんだんぎ) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.219 Zeichen · 16 Bildschirme
四月頃は可なり長い雪渓の上を滑り下ることも出来、其時は誰も愉快愉快と言わぬ者は無かったが、実際山が好きになって後まで登山を続けていた者は二、三人しかありません。其中の一人は如何したはずみか、すっかり瀑の礼讃者に変ってしまって、一夏称名、平湯、白水と云うような私が名も碌に知らなかった瀑を探り、糸魚川街道を松本に抜け、立山、後立山両山脈の高峰を目睫の間に眺めて、夏も残雪の非常に多い山のあることを知り、南ゴリウ、北ゴリウという特異の山名を覚え、帰来寄宿舎で顔を合せると、得意になってそういう山を知って居るかと聞かれて、大に閉口しましたが、登ったのかと聞くと、いや登らなかったというので、それが自慢になるものかと、僅に一方の血路を開いてホッとした形でした。『日本風景論』が未だ出版されぬ時でしたから、応酬の仕様も無かったのであります。其山がどの山に当るか不明ですが、南ゴリウは或は鹿島槍ではないかと思われます。もっと根掘り葉掘り聞いて置けばよかったと後で気が付きました。尤も詳しく聞いた所で私に少しも其辺の知識がないのだから到底分る筈はありません。この男も肺を病んで先年八丈島で亡くなりました。