Japanische Klassiker mit Furigana
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しろいはなあかいくき
白い花赤い茎
田中 貢太郎
Lesen Sie 白い花赤い茎 (しろいはなあかいくき) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.634 Zeichen · 12 Bildschirme
空はもう薄すらと明けかけて、星の光がまばらに寒く光っていた。
三叉路の処には、総領女が弟の逃げて来るのを待っていた。二人は手を引き合ってむこうへむこうへと走った。と、背後のほうで恐ろしい声がした。走りながら揮り返って見ると、二人を追っかけて来る鬼婆の手を拡げた姿が微明りで路の上に小さく見えている。
二人は走り続けた。路は一面に白い雪のような花の咲いている中へ入った。やがて其の路が尽きて、前に深い深い絶壁の谷があらわれた。鬼婆は直ぐ後へ迫って来た。二人は進退がきわまったところで、其の傍に一本の高い高い神代杉のような巨木が生えていた。二人は他に逃れる途がないので、其の木の上に登って往った。鬼婆もこれを見ると、また木の上に登りだした。
二人は梢にまで登りつめた。其のうえは飛びおりるか、鬼婆に喫われるかするより他に途がなかった。二人の姉弟は神に縋りついた。
「此の世の中に、ほんとうに神様と云う者があるなら、どうぞ、私等二人を救うてくださいませ」
すると一条の鎖が二人の頭の上に垂れて来た。二人はそれに手をかけた。鎖は二人の姉弟を引きあげた。
鬼婆もこれを見ると云った。